嵐による毒物の流出

危機カード
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嵐の主なリスクは、有毒物質を保管している産業施設の破壊です。たとえばハリケーンは有害ガスの容器を損傷し、高潮は有毒化学物質や下水の貯蔵施設を浸水させる可能性があります。そのあと、これらの汚染物質は周囲の環境に放出され、人間と自然に害を及ぼし、最初の嵐が収まったあとも長く続く危険な影響の“第二の嵐”を引き起こします。世界保健機関は、これを“natech”災害(「自然災害が技術的事故を引き起こす」を意味する英文を略した造語)と呼んでいます。

気候緊急事態により、異常気象の深刻度と頻度が高まっています。そのため、natech災害のリスクが高まっています。産業施設は、こうした事象に対する備えが不充分であったり、被害を回避できなかったりすることがあります。これには化石燃料施設も含まれますが、化石燃料施設は嵐の悪化を招くだけでなく、大量の有毒化学物質を保管しています。低所得者や社会的に疎外された地域社会は産業施設の近くに住む可能性が高いため、natech災害に不釣り合いにさらされています。

嵐や洪水の早期警報システムを設置し、工業地帯の回復力を高め、現在危険な状況にある人々によりよい住居の選択肢を提供することで、natech災害を軽減することができます。しかし、増大するnatechリスクを完全に排除する唯一の方法は、化石燃料インフラを完全に撤去することです。

ゲームプレイノート

経済基盤の回復力が最も低いプレイヤーは、気温バンド1枚ごとに危機的な地域社会トークンを1枚追加しなければなりません。

そのプレイヤーは自分のプレイヤーボード上にある経済基盤の回復力トークン1枚ごとに、この効果を1減らすことができます。

例:気温バンド5枚-経済基盤の回復力トークン3枚=危機的な地域社会トークンを2枚追加します。

軽減のために使った経済基盤の回復力トークンを捨て札にすることはありません。

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行動の呼びかけ
  • 国連による回復力への競争 を支援しましょう。

  • 地元の産業施設や公共事業を運営する政府機関に、気候緊急事態予測に合わせた緊急計画を要求しましょう。それらの施設で働いている場合、管理者に計画を作成するよう要求しましょう。